我が職場の釣り同好会では、春と秋の大会を三連覇もしくは年間ポイント賞を三連覇すると、達人の称号を頂けるのです。その偉業を達成したのは絶対王者M師匠とゴミ神バッチのみ。もちろん達人ともなれば仲間からの羨望&畏敬の眼差しはもちろん、道内津々浦々で「あ、あれが達人の…」と一目置かれたりおスナックでモテモテになったりと、言葉では言い表せない恩恵を授かるワケです。はい、後者はウソれす。

今回の戦場は室蘭。予報では夜半まで東寄りの強風&大雨、その後は西風に変わって強風と、ほぼ強風&雨の中の釣りが確定している状況ですが、今回も11名のツワモノが参加。このところ大会では神がかったツキもあって絶好調のワタクシは、年間ポイント賞を昨年一昨年とゲツトし、今年も春の大会で優勝したので、あとは皆さんの厳しいマークを振り切って三賞に絡めば、ほぼ達人は手堅いかと思われてましたが、果たしてどうなったでしょう。

さて釣り場へ着いてみれば、雨は大したことないものの、やはり風はボーボー。そんな中でも幾人かのメンバーは一級ポイントの南防波堤先端部に入って早くも釣果を上げてます。ワタクシは風の弱いところを探して防波堤基部に入釣。

室蘭の白鳥大橋。この右側たもとの真下あたりに入釣しました。大雨強風の予報に反して、その時点では風雨は大したことなかったんだけど。

鼻息荒く臨んだ夕マズメは、そこそこのアブラコを一本上げたのみで、あとは子ガヤの入れ食いに会い消耗。オマケに前回春の大会で巨ゾイを抜き上げた、ラグビーで言うなら南ア・デクラーク的存在のルアー竿を、どうせ子ガヤばっかしだろうと油断して置き竿にしていたところ、シマゾイらしき奴に海中へ引きずり込まれ、回収にも失敗し失う痛恨のミス。その後始まったシマゾイのプチフィーバーにも対応できず、これですっかり戦意喪失。三年がかりでテンパったダブル役満がフリテンで自滅し、ツモ切りマシーンと化した瞬間だったのでした。

「もーいいや!今日は飲んじゃお!」

風向に合わせて釣座をクルマで移動しようと、今回は飲まずに戦うことを心に決めていましたが、竿を失いヤケクソに。もー今夜は飲んじゃおか!

幹事の皆さんが用意してくれた食材を、ウチのジュテーム号に積みっぱなしのキャンプ道具を広げて調理します。もー肉でも後悔でもなんでも焼いたるデー!

ワタクシの達人獲得前祝いと言うことで、幹事がフンパツして用意してくれた高級肉を涙ながらに自ら調理します。「ホイ焼けた!食べてー!」

強風のため炙りや大将は出番ナシ。ツアー先発メンバーのガスコン&取っ手切断フライパンがフル回転です。

そんなこんなでサカナは釣れないけど、ストロンゲスト焼酎をカパカパ空けつつ、サイコーに楽しい現地宴会の夕べを堪能したのでした。

「参加したての頃は飲みすぎて朝ゲロしたりして釣りにならなかったよ〜」なんて昔話にウツツを抜かし、大事な勝負どころで飲みまくるヤケクソ太郎と愉快な仲間たち。

さて、ジュテーム号で快眠を貪り目が覚めれば6時。雨は上がり素晴らしい朝焼けが広がっていますが、釣座はいよいよ横殴りの強風でまるで釣りにならなさそう。絶景を愛でつつ例によってUNKO活動しながら作戦を考えた結果、今は防波堤先端部の方が風向き的には有利っぽいので、気を取り直して釣座を移動することに。まだ諦めるには早い!今までだって朝の8時過ぎに大物を上げて逆転してきたし、きっとドラマが作れるに違いない!大物カマーン!と祈りを込めて、投げを二本、真下を一本出し、それぞれ巨バリにイソメをふさがけにして大物を待つことにします。

風はほぼ左後ろから。ポーンと遠投して巨大魚のアタリをひたすら待ちます。

しかし…釣れてくるのはやはり子ガヤばかり。この巨バリにその口でどう食ってくるの?と言いたくなるサイズの小物ばかりで、またもや諦め気分に飲み込まれます。

バカの一つ覚えでサンマ輪切りを付けた18号のフカセ針に15センチほどの子ガヤがガッチリフッキング。もー次回からマグロ針でも使おっかな。

キモチが折れかけていたところで横の鶴ちゃんが「ヒダカさん、いつも最後まで頑張って結果出してましたよね!」とのエールをくれ、「そうだ、最後まで何があるかわからないのが大会なんや!」と闘志を再び燃やし、子ガヤを釣っては捨てしながらいよいよ納竿の9時半も迫って来た頃。投げ竿の一本を巻いてみると、生体反応は怪しいものの、ズルズルと巻けてくる強烈な重さ。

「もしかして巨カジカ?タモいる?タモ呼ぶ?」と、ココロはすっかり大逆転のイメージでコーフンしますが…

上がって来たのは重さに似合わないちっちゃいゴミ。ゴミにすらバカにされてガックシ。今回もう何回目かわかりませんが、ダメ押しで決定的にココロが折れた瞬間でした。せめてもの救いはタモー!コールをしなかったこと。

し〜あ〜わ〜せ〜〜をたずねて〜〜〜 わ〜た〜し〜は〜〜ゆきたい〜〜〜 いばら〜のみちも〜 いてつ〜くよるも〜 ふたり〜でわ〜た〜あっ てゆ〜き〜た〜い〜〜

納竿しクルマへ戻る間、頭の中ではあのカリオストロのエンディング曲がリフレインします。達人位というクラリスを抱きしめきれなかった寂しいオトコは、向かい風の中トボトボとクルマへ帰ってゆくのでした。ああ、夏が終わる〜、達人リーチも終わる〜。

すっかり抜け殻と化しクルマへ戻るワタクシ。達人リーチも消え生きる目標を失い、チヤホヤ度ゼロのただのオサーンに戻りました。

さて計量、結果はなんとなく予想がついてましたが、ワタクシの順位はトホホのブービー。もちろんこれで達人位もアブクと消えました。応援してくれた皆さん、すみません…。

ワタクシの愛しい提出魚たち。激シブの中よくぞ釣れてきてくれました

一方優勝は、ワタクシの達人ゲツトを阻止すべく、普段にも増して気を吐いた絶対王者M師匠。最初に入った釣り場でクルマもろともゲートに閉じ込められ移動不能となったハンデをものともせず、カジカ3本を揃える神がかった強さを発揮し年間ポイント賞も獲得。モンハンで言ったら獰猛化した希少種リオレウス、一撃で火ダルマ猛毒即死級の強さで手が付けられません。

優勝のM師匠。後ろにコマネチで悲しさをごまかすワタクシ。獰猛化銀レウスにはモンハンでも全く歯が立ちません。

そんなM師匠の大会後コメントは「ヒダカの達人阻止だけをこの半年目標にして来たけど、それが実現しちゃって目標を失ったよ」とのこと。奇しくも二人の抜け殻を生む大会となったのでした。

なんてね。戦いが終わればノーサイド。仲間とワイワイ「どう?いいの上がった?」なんてちょっと競いつつ宴会も楽しみつつの釣り会はまさに、脳内物質出まくりんの幸せなイベントなワケです。

さて、帰宅後はいつものようにトレトレ海の幸ディナー。今回釣れたアブラコは、根掛かった時に付いてきたナゾのホタテモドキと一緒にアクアパッツァに。ンフォ、ナゾ貝ンマいじゃん!

ホタテはNGだけど、このナゾ貝はオッケーなはず。アカザラガイと云ふそうな。二つだけね。アサリは購入品よん。

同じく根掛かった時に付いてきたホヤも刺身で。ンフー、この重金属的甘みがタマランチ会長!ポン酒がススム君。

調べてみたけど、こちらもNGじゃないはず。多分。違ってたらゴメンナサイ。

ままま、達人位は取れなかったけど、これからは少し気楽なキモチで楽しみつつ、チャンスがあればまずは連覇でもらえる名人位からコツコツ目指します!頑張ります!

なお、達人兼ゴミ神のバッチは見事7大会連続のゴミ賞(3位or5位、宴会で出たゴミ持ち帰りが義務)獲得で、ゴミ神の上に新設された称号「ゴミ収集車」を襲名することに。次回8連覇で究極の称号「夢の島」を是非取って欲しいな。

んじゃまたね!